ホーム > 活動報告 > 東京 伝統菓子講習会開催

活動報告- Activity Report -

東京 伝統菓子講習会開催2018年08月 Vol.4

 

  クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ(会長 西野之朗)では、先月の大阪伝統菓子講習会に引き続き、8月29日(火)、東京での講習をドーバー洋酒貿易株式会社にて開催しました。
今年は、クラブ理事でもある齢50歳以上のベテラン講師陣のデモンストレーションを展開。解説をキャロリーヌの中川シェフが担当しました。 
 西野会長の挨拶から始まり、講習会の協賛企業の紹介を得て、金子シェフの「パスカード」と「クロッカンポムカルヴァドス」の講習からスタートしました。温かいものを提供するために早朝から生地を仕込み、再加熱したものを試食しながら、90名以上を越す受講者は、熱心に耳を傾けていました。金子シェフがフランスで食したものを再現したというこの「パスカード」は、フランス中南部オーベルニュ地方のもので、フワッとした厚めの生地の器の上に色々な具を乗せ、食事系でもデザートでもアレンジできるもの。
 続いて、寺井シェフのショコラとオレンジの風味が凝縮された「ヴェリーヌチョコラオランジュ」、マドレーヌシェフの「ウイークエンドシトロンオランジュ」という基本に忠実な菓子の講習。
 休憩をはさみ、いよいよ林シェフの「ガレット・デ・ロワ」のデモンストレーション。過去に優勝者を輩出しこともあるガトー・ド・ボワは、1月には800台以上のガレット・デ・ロワを販売するほどで、製法での工夫やポイント以外に製作での苦労話もあり、コンテストを目指す受講者のメモを取りながら、聞き入る姿が印象的でした。
 その後、西野会長の「ラ・フローヌ」、「ケーク・カレ・フリュイ」2種の講習に。「ラ・フローヌ」は、フランスのアヴェイロン県のスペシャリテ。本来は、チーズ作りの際に残る羊の乳清(ホエー)から作られたルキュイットと呼ばれるフレッシュチーズを使用しますが、今回はリコッタチーズで代用しました。手に入らない食材でも他のものを使用したり、工夫をこらすという地味な印象の菓子作りへの提案や大きなヒントを与えました。
 
 そして最後は、永井シェフの「ナポリタン」に。敢えて3種の違った製法で作った冷たいデザートは、沢山のお菓子を食した後には、とても食べやすく、あっという間に完食する受講者の姿が見受けられました。
 
 フランス伝統菓子の正しい知識を伝え、その普及を活動の主軸としている当クラブですが、今回の講習会は、ベーシックなフランス菓子や、フランス菓子をいかに今の時代に合わせて作るか、伝統に忠実に、今の趣向に合わせた工夫をこらしているかを紹介する内容となりました。
 初期の頃からクラブの活動に尽力しているシェフ達から「伝統は守るだけのものでなく、日々進化してこそ生き続けるもの。」というメッセージ性の強い講習会は、盛況の内に終了しました。
 
 
参加講師とメニュー、協賛頂いた会員企業、サポートシェフは下記の通りです。
 
【講師・メニュー】
林雅彦(ガトー・ド・ボワ) : ガレット・デ・ロワ
フレデリック・マドレーヌ(ル・ポミエ): ウイークエンド シトロン
金子美明(パリセヴェイユ): パスカード
寺井則彦(エーグルドゥース): ヴェリーヌ ショコラ オランジュ
永井紀之(ノリエット): ナポリタン
西野之朗(メゾン・ド・プティフール):ラ・フローヌ、ケーク・カレ・フリュイ
 
解説 : 中川 二郎 (キャロリーヌ)
 
【協 賛】(50音順)
アンベールジャパン、池伝株式会社、株式会社ナリヅカコーポレーション、日仏商事株式会社、日清製粉株式会社、日本製粉株式会社、ネスレネスプレッソ株式会社、株式会社前田商店、株式会社増田製粉所、株式会社明治、森永乳業株式会社、ラクタリスジャポン、ルーツ貿易株式会社
幹事: 株式会社イワセ・エスタ東京
会場提供: ドーバー洋酒貿易株式
ディスプレイ提供 : 株式会社マトファージャパン
特別協賛: タカナシ販売株式会社
 
【サポートシェフ】(順不同)
捧雄介(パティスリーユウササゲ)、濱田舟志(菓子工房グリューネベルク)、佐藤徹(パリセヴェイユ)、島田徹(パティシエシマ)、神田智興(オクトーブル)、倉田(メゾン・ド・プティフール)、大亀善孝(ヴィロン)