●ミルリトン2015年07月30日
ミルリトン Mirliton
フイユテ生地(ブリゼ生地の場合もあり)に生クリーム入りのアーモンドクリームを詰めた直径5~6㎝ほどのタルトレット。ノルマンディ地方発祥のお菓子で、特にジャンヌ・ダルクの聖堂があるルーアンのものが有名である。1840年頃のピエール・ラカムによるミルリトンに関する記述では、ルーアン、ル・アーヴルをはじめ、ノルマンディ全土で作られていたことが明らかにされている。パリなどでは中にアプリコットを入れる、バターの配合を多くするなど、アレンジが施されたようだが、ラカムは生クリームを主体としたシンプルなノルマンディのものより、おいしいミルリトンはないと断言している。
○用語・人名等解説
日曜のお菓子
フランスでは教会のそばに必ずといっていいほど見られるパティスリー。礼拝の後、家族でお菓子を買って帰る風習があったからだ。今でも店舗のほとんどが日曜休みのフランスだが、ここだけは午前中のみ、あるいは夕方までと時間を短縮しても営業している。かつてのノルマンディでも、一軒のパティスリーが日曜には200~300個のミルリトンを作ったという。