クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ(会長 島田 進)在日フランス大使館共催
駐日フランス大使へガレット・デ・ロワを献上し、エピファニーを祝う第五回サロン・ド・ラ・ガレット・デ・ロワが、栄えある日仏友好150周年最初の行事として去る1月10日(木)、東京都庭園美術館(白金台)にて開催されました。フランス大使館関係者、在日フランス財界人、クラブ会員等200名におよぶ出席者を迎えて、賑やかに行われました。
恒例となりました献上用の直径1メートルを超える特大ガレットは、2007年度ガレット・デ・ロワコンテスト優勝者池尾大地氏(ビゴの店)が製作、大使代理として出席したフランス大使館経済部農務官ジャン・ケリエ氏、並びにフランス食品振興会(SOPEXA)日本代表のジャン=シャルル・クルーアン氏が入刀しました。会場にはその他にも各会員やコンクール入賞者によるガレットが持ち込まれ、約100台もの美しいガレットが並ぶ様子は圧巻ともいえるものでした。
ケリエ氏は開会挨拶の中で「フランスとの関係も深く、歴史的なこの庭園美術館で、今年もこのような会が開催されることは喜びです。本年は日仏交流150周年の年にあたりますので、本日のガレット・デ・ロワの催しを150周年第一号の記念行事として捧げるものとします。起源を古代ローマ時代に持つガレット・デ・ロワは新年に家族や友人、仕事の同僚と集う機会を与えてくれるフランスの伝統です。そして、本日ここにお集まり下さった皆様の存在は、フランスの伝統的食文化、日本におけるフランス菓子の伝播、そして日仏のガストロノミーの深い繋がりの証しです。フランスの伝統行事の普及に努め、広くフランスの伝統的な品々を紹介する機会を与るクラブの活動に、深い感謝の意を表すると共に、今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」と述べました。島田会長の挨拶に続き、名誉会員フランソワーズ・モレシャン氏からのメッセージが披露され、また今年から名誉会員として加わった在パリのピエール・エルメ氏、ジャン=ポール・エヴァン氏、並びにパリパン菓子組合会長ジャック・マビーユ氏の3名からのメッセージも届きました。そしてパリコンクール並びに昨年のクラブ主催コンテスト結果発表と表彰式が行われました。SOPEXAのジャン=シャルル・クルーアン氏の乾杯の挨拶により始まった懇親会では「皆で分かち合う」ガレット・デ・ロワの精神に則り、列席者全員で楽しみました。
仏大使館ケリエ氏以外の各方々の言葉は以下の通り。
島田進会長(パティシエ・シマ)今日ここに並んでいるガレットは、会員の日頃の努力と技術の展示です。フィユテ生地とアーモンド・クリーム、昔からフランス人の大好きなこの味を伝えていくために、またそれを紡ぐ技術と楽しみ方を伝えていくために、クラブは活動しています。発展を続けるフランス菓子の中にあって、変わらぬ味と食文化を抱える伝統菓子をさらに普及させ、質の高いものをめざすメンバーでありたいと思います。同時に食べ手となって下さる方々にそのおいしさと楽しさが伝わるように努力していきますので、皆様のさらなるご理解とご協力をお願いします。
フレデリック・マドレーヌ(ル・ポミエ)今日の催しは日仏友好に大きく貢献するものと思います。日本でも近年たくさん作られるようになったガレットが、もっと広まるように望んでいます。
名誉会員 フランソワーズ・モレシャン氏(マドレーヌ理事による披露)ガレットは人々の愛情や友情のシンボル。味わいもさることながら、これを分かち合って楽しむことは、私たちフランス人のアイデンティティーです。それを皆様に感じて頂けるガレット、そして誰もに王様や女王様になるチャンスをくれるガレットとは、なんて素敵な存在なのでしょう!
新・名誉会員 ピエール・エルメ氏(大森理事による披露)私のお菓子づくりのモットーは「伝統と革新」、まさにクラブの活動の主旨と合致するものです。ガレットとは皆で分かち合うことが不可欠な、「ベル・トラディション(美しい伝統)」。本来のおいしさに加え、甘口のワインと合わせるなどの新しい楽しみ方を提案していきたいですね。
新・名誉会員 ジャン=ポール・エヴァン氏(同上)まず名誉あるクラブの会員に推薦頂いたことを喜んでお受けします。チョコレート風味の私のガレットは伝統に少々反しますが(笑)、ガレット普及に協力していくつもりです。日本に行くことも多いので、ぜひクラブの皆さんにお会いしたいです。
フランス食品振興会(SOPEXA)日本代表 ジャン=シャルル・クルーアン氏(乾杯に際して)日本には四季折々に素晴らしいものがたくさんあります。ガレットもフランスでは新年に欠かせない存在、その習慣はまさに日本の食文化にぴったりだと思います。ガレットとクラブのますますの発展をお祈り申し上げます。
寺井理事(エーグル・ドゥース、昨年のコンテストを評して)焼き方や模様など、緻密さが感じられるハイレベルな作品が多く、コンテストも回を重ねるごとに充実してきました。しかしあまり賞にとらわれず、「伝統菓子を楽しむ」ということも忘れないでいたいと思います。それができて初めて、本クラブの活動も成功と言えるのではないでしょうか。